ある会議の15分前に目的のビルを見つけ、入ろうとすると、すぐ隣のビルにアンティークモールという看板が掛かっていた。カバの匂いを感じて
そのまま中に入ると、いろいろな小物の骨董が所狭しと並んだお店がたくさんあった。いつもなら「カバいますか?」と聞くのは邪道で、自分で歩いて見つけるのだが、時間がないのでお店の人に聞いてしまった。すると、すぐに笑顔で「カバのブローチがあります」と言われてビックリした。
Lea Stein(リア・スタイン)というフランスのデザイナー作のブローチ。幾重にも特殊なカラーセルロイドを重ねた年代もの。1960年代に、彼女の夫が開発した技法とのこと。顔のデザインがおもしろく、カラフルなのが気に入った。
会議後のリラックスした席で、さりげなく人に見せると、「牛ではないか」「カバとする決め手がない」「足が一本足りない」などとからかわれてしまったが、必死でカバと主張した。値段も、0が一つ少ない数字を言われてしまい、ショックだった。
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◇フランス。リア・スタイン作。セルロイド製。4p。東京。 |
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